高幡不動尊(金剛寺)
高幡不動尊(金剛寺)は、東京都日野市の、京王線・多摩モノレールの高幡不動駅より西へ徒歩2分の地に位置する、真言宗智山派の別格本山。正式には高幡山明王院金剛寺。
関東三大不動の一つを名乗り、東京の市町村部では最も有名な寺社の一つ。
平安時代の9世紀に慈覚大師円仁が勅を奉じて不動堂を建立したのに始まるが、大宝年間(701-704年)以前の草創で奈良時代の行基の開基とも伝える。
広い境内には堂宇が充実しており、うち不動堂と仁王門は国の重要文化財、旧五部権現社殿は都の指定文化財となっている。また紫陽花や紅葉の名所でもある。
仁王門は室町後期の建立。国指定重要文化財。
正面は不動堂、右手は宝輪閣(お札所)。
不動堂は鎌倉期に山中に建立され、南北朝期の1342年に麓へ移築されたもの。国指定重要文化財。
五重塔は平安初期の様式で、昭和55年にRC造で建立。毎年4月28日には登拝が可能。
奥殿は文化財の収蔵・展示施設。
1455年に立川河原で敗戦し当寺で自刃した上杉憲顕(上杉憲秋?)の墳墓。
大日堂(総本堂)は鎌倉期の、大玄関は桃山期の様式で再建。鳴り龍天井や彫刻等が有料公開されている(撮影不可、月曜休館)。
旧五部権現社殿は江戸前期の1671年建立で東京都指定有形文化財。
1056年に八幡杜を寺の鎮守として勧請し、後に稲荷・丹生・高野・清龍権現の4柱を合祀して五部権現となった。
不動ヶ丘
五重塔裏の不動ヶ丘は中世の高幡城跡であり、四国八十八ヶ所霊場の巡拝路が設けられている。また6月にはアジサイ、紅葉の名所となる。
山中には市の天然記念物である樹齢200年のサンシュユもある。
茶室
茶室(豊泉寮、知足庵、風信庵)は通常は非公開だが、6月のあじさいまつりで公開される。
あじさいまつりの特定日には、豊泉寮に呈茶席が設けられる。
右側の建物が豊泉寮。奥に見えるのは知足庵。
知足庵の中庭は枯山水庭園。
年中行事
高幡不動尊では年間を通じて様々な行事が行われるが、特に以下のものが多くの参詣者を集める。
1月初旬 - 初詣
高幡不動尊は東京多摩で有数の初詣スポット。露店も多数出る。
1月28日 - 初不動大祭
初不動大祭ではだるま市が開かれ、稚児行列も行われる。
2月3日 - 節分会
節分の豆まきは東京多摩では有数の規模で、5回に分けて撒かれる。
4月27~29日 - 春季大祭国宝まつり
稚児行列や神輿練り、植木市が行われる。また4月28日には五重塔の最上階へ登拝可。
6月上旬~7月上旬 - あじさいまつり
境内には200種類7500株が植栽されている。またこの期間中のみ、茶室が公開。
10月~11月 - 菊まつり
東京多摩では有数の規模の菊花展。
11月中旬 - もみじまつり
山は紅葉で染まり、五重塔の夜間ライトアップも行われる。