江戸東京たてもの園
江戸東京たてもの園は、東京都小金井市の、JR中央線の武蔵小金井駅より北へ徒歩24分、西武新宿線の花小金井駅からは南へ徒歩23分に位置する、野外博物館。武蔵小金井駅、東小金井駅、花小金井駅からはバスも運行されている。
江戸東京博物館の分館として、現在の東京都に相当する地域から、江戸時代から昭和初期にかけての建造物が40棟近く移築保存されている。
センターゾーン
ビジターセンターは、昭和15年に皇居前広場で催された紀元2600年記念式典で仮設された旧光華殿を移築・改修したもの。当初は杉皮葺で、廻廊も付属した。
自証院(徳川家光の側室「お振の方」)の霊屋は、1652年に新宿区富久町の自証院に建立されたもの。秋の東京文化財ウィーク等では扉が開かれて内部が公開される。東京都指定有形文化財。
二・二六事件で倒れた戦前の政治家高橋是清の邸宅の主屋を港区赤坂より移築。明治35年築で、庭園も一部復元。
なお、邸宅跡は高橋是清翁記念公園として整備公開されている。
多摩で製糸業を営んだ西川伊左衛門が大正11年に昭島市中神町に建てた隠居・接客用の邸宅。
会水庵は、宗徧流の茶人山岸宗住(会水)が大正期頃に新潟県長岡市に建てた茶室で、昭和2年に東京吉祥寺に移され、その後も都下で二回の移築を経ている。
旧宇和島藩主伊達侯爵家が大正期に港区白金に建てた邸宅の表門。
西ゾーン
板橋区常盤台の、東武線ときわ台駅前に開発された郊外住宅地に、昭和12年に建てられた写真館。
大田区田園調布の、東急線田園調布駅前に開発された郊外住宅地に、大正14年に建てられた洋風住宅。
著名な建築家であった前川國男が、昭和17年に品川区上大崎に建てた自邸。東京都指定有形文化財。
著名な建築家であった堀口捨己が、大正14年に文京区西片に建てた住宅。東京都指定有形文化財。
新宿区信濃町に建てられた平屋建の洋館(明治25年築の北尾邸説あり)を、ドイツ人建築家ゲオルグ・デ・ラランデが明治43年頃に三階建に増改築。
港区西麻布から移築された三井八郎右衞門(三井財閥の三井家総領家の当主が代々襲名)の旧邸。東京都指定有形文化財。戦前に六本木にあった大邸宅は昭和20年に空襲で焼失したため、新居は昭和27年、規模を大幅に縮小されて西麻布に再建された。
客間と食堂は明治30年頃に京都に建てられたものを移築。土蔵は明治7年の築。また望海床は神奈川県大磯にあった城山荘(三井家総領家の別荘)からの移築。
江戸中期に世田谷区岡本に建てられた農家建築。
江戸後期に八王子市追分町に建立。八王子千人同心(江戸期に八王子市に居住した徳川家家臣団)の組頭の旧宅。
1800年代に建てられた伝える、八王子市館町にあった穀物倉庫。
江戸後期築の、三鷹市野崎の名主(吉野家)の旧宅。小金井市指定有形文化財。
江戸末期頃に奄美大島に建てられた倉庫で、湿気や鼠から穀物を守るため高床式となっている。この建物は江戸・東京との直接的な関係は無い。小金井市指定有形文化財。
東ゾーン
大田区鵜の木の名主(天明家)の旧宅。江戸後期築の主屋と長屋門が移築されている。小金井市指定有形文化財。
千代田区神田須田町の、万世橋付近にあった交番。明治後期築。
大正14年築の消防署の望楼上部を移設。
小間物屋(化粧品屋)。台東区池之端に昭和3年築。
植村邸は中央区新富に昭和2年築。大和屋本店は港区白金台に昭和3年に建てられた乾物屋。
千代田区神田神保町に昭和初期に建てられた荒物屋。
武居三省堂は千代田区神田須田町に昭和2年築の文具店。花市生花店は千代田区神田淡路町に昭和2年築の花屋。
江戸川区南小岩に大正15年に建てられた和傘問屋。
港区白金に昭和8年に建てられた、味噌・醤油・酒類の販売店。
青梅市西分町に江戸末期~明治初期に建てられた旅館。
台東区下谷に江戸末期の1856年に建てられた居酒屋。
文京区向丘に明治12年に建てられた町家。
足立区千住元町に昭和4年に建てられた銭湯。
このほか、遺跡や石造物、皇居にあった午砲や皇居正門石橋飾電燈なども屋外展示されている。