江戸東京博物館の概要
江戸東京博物館は、東京都墨田区のJR総武線および都営大江戸線の両国駅より数分(JRの両国駅西口からは徒歩3分、地下鉄の駅からは徒歩1分)の位置にある都立博物館。
江戸時代から現代にかけての江戸・東京をテーマとして、常設展示として多くの建築模型その他の資料が展示されている。館内は写真撮影可。また年に4~5回、企画展示や催し物などが開催される。
博物館自体の設計は菊竹清訓で、1993年開館。高さは約62mで江戸城天守閣とほぼ同じである。
2022年4月~2025年度まで休館
江戸時代の展示模型
日本橋の原寸模型(ただし長さは半分)。日本橋は五街道の基点となった。
神田明神の山車の原寸模型。神田祭は江戸期は山車が中心だったが、近代に山車は消えた。館内には神田祭の行列の縮小模型もある。
中村座は歌舞伎劇場。その正面部分の原寸模型。
江戸城の本丸を中心とした領域の模型。江戸城についての詳細は江戸城(1)の記事を参照。
江戸城本丸御殿。現在の皇居東御苑にあった。
大大名の江戸上屋敷の模型。各大名は参勤交代で国元と江戸に屋敷があった(ただし参勤交代せず江戸定府の大名もいた)。江戸には、主邸である上屋敷のほか、郊外に中屋敷や下屋敷があった。
日本橋北詰付近の町人地の模型。
江戸の職人その他が暮らした長屋の原寸模型。
錦絵を扱うさらし問屋の原寸模型。
菱垣廻船は上方(関西)と江戸を結んだ物資輸送船。
天保頃の両国橋の西詰を再現。芝居小屋などが並ぶ。
芝居小屋の縮小模型もある。
三井越後屋は現在の三越百貨店。三井財閥の源流。
近現代の展示模型
銀座にあった、明治9年建造の朝野新聞社社屋の原寸模型。
鹿鳴館は明治16年建造の、海外の要人接待用の施設。
ニコライ堂は明治24年の正教会の教会堂。関東大震災で被災し若干改造されたものの現存し国の重要文化財に指定されている。詳細はニコライ堂を参照。
明治期に銀座に造られた煉瓦造の街並み。関東大震災で壊滅。
明治5年建造の三井組ハウス。翌年、第一国立銀行となる。第一国立銀行の後身は現在のみずほ銀行。三井組の手を離れたので三井組は新たに三井銀行を設立した。
凌雲閣(別名浅草十二階)は明治23年建造の12階建て煉瓦建築。関東大震災で半壊し解体された。
昭和10年代の和洋折衷住宅の原寸模型。他に、月島の大正末期建造の長屋や戦時下の住宅の部分原寸模型もある。
終戦直後の住宅の原寸模型。
昭和34年建造のひばりが丘団地の一室の原寸模型。
両国にぎわい祭り
4月末頃にJR両国駅周辺で開催される「両国にぎわい祭り」においては、江戸東京博物館も会場の一つとなり、屋外で各種ショーなどが披露される。
郊外の小金井市には、分館として江戸東京たてもの園があり、江戸時代から昭和初期にかけて東京都に相当する区域に建てられた多くの建築物が保存されている。
両国駅周辺には、他に横網町公園、旧安田庭園、-両国- 江戸NOREN、回向院などがある。