江戸城の概要
別名千代田城。皇居周辺の中核部分は江戸城跡として国指定特別史跡、外堀跡は国指定史跡。また別途、外堀の常盤橋門跡も国に史跡指定されている。
東京の中央に位置する平城または平山城で、日本最大の城郭であった。財団法人日本城郭協会選定日本100名城の一つでもある。明治以降の呼称は東京城、皇城、宮城と変遷し、戦後に皇居となった。
室町時代の長禄元年(1457年)に太田道灌により築城され、後に徳川将軍家の居城かつ幕府の政庁として拡張された。現在残るのは内曲輪内だが、外曲輪を含めた惣構は千代田区及び中央区の全域と港区の一部が含まれ、そこに水路や水堀が張り巡らされ(出城でもあった現・浜離宮とも結ばれていた)、俗に江戸城三十六見附と呼ばれる何十もの大型の門が置かれていた。
現在、本来の江戸城の中心であった本丸・二ノ丸・三ノ丸は皇居東御苑となっており、御所及び宮殿は吹上曲輪・紅葉山・西ノ丸・的場の曲輪のあった地に置かれている。また、皇居外苑(皇居前広場)は西ノ丸下曲輪跡、北ノ丸公園は北ノ丸曲輪跡である。江戸城の内曲輪は、これらに加え現在の大手町(大手前曲輪)と現在の丸の内・有楽町(大名小路曲輪)から成り、各々が水濠に囲まれていた。
現在残る江戸城の領域には石垣や水堀が残り、そこに幾つかの門や櫓、番所などが現存または復元されている。うち、国の重要文化財に指定されているものには外桜田門、清水門、田安門がある(ただし宮内庁管理の物は原則として文化財指定されないので、それらにも重文クラスの物はある)。また、旧枢密院や旧宮内省庁舎など、明治以降の近代建築や近代和風建築も残る。
- 第1回:江戸城の概要(この項)
- 第2回:皇居外苑、和田倉噴水公園
- 第3回:皇居東御苑
- 第4回:皇居宮殿、乾通り
- 第5回:北の丸公園
- 第6回:外濠、移築建築
江戸城の模型
本丸休憩所脇にある江戸城天守の模型
1638年に竣工し1657年に焼失した三代目天守(高さ60m)の縮尺1/30模型。
江戸東京博物館の江戸城模型
本丸・二ノ丸・三ノ丸部分を中心とした模型。
江戸城跡の全体地図
主な門や建築物などの地図。各ページより省略してあるので、より詳細な情報は各ページを参照のこと。また、この地図には外濠がある外周部は含まれない。