千葉県立房総のむら
千葉県立房総のむらは、千葉県印旛郡栄町及び成田市の、JR成田線の下総松崎駅より北へ徒歩27分の地に位置する、大規模な野外博物館。
国指定史跡である龍角寺古墳群の中に整備されており、無料エリアには主要な古墳や古民家などがあり、有料エリアには商家町や農家などが再現され、考古資料館もある。
無料エリア
有料エリアは栄町内だが、無料エリアは成田市内にも広がる。
龍角寺古墳群のほか、旧学習院初等科正堂、旧御子神家住宅、旧平野家住宅といった文化財建造物は無料エリア内に展示されている。
学習院初等科の正堂(講堂)は明治32年に東京四谷に建てられ、昭和12年に成田市の現・遠山中学校に移築され、更に同50年当地へ移築。
デザインは洋風だが日本の伝統建築の技術で建てられている。国指定重要文化財。
旧御子神家住宅は江戸中期の1780年、南房総市に建てられた中規模農家。国指定重要文化財。
旧平野家住宅は江戸中期の1751年築。平野家は富津市亀沢の名主であった。千葉県指定有形文化財。
有料エリア
有料エリアの展示は、県内の古い商家町や、武家屋敷、農家住宅を再現している。考古資料を中心とした歴史資料館もある。
管理棟は、明治13年に千葉市に建てられ明治44年まで使用された2代目千葉県会議事堂の外観を再現。
商家の町並み
香取市佐原などの古い町並みを参考に商家町を再現。17軒の商家等がある。
右手前の総屋(ふさや)は、成田の門前町にある大野屋旅館の前代の建物(江戸末期~昭和2年使用)を再現したもの。
総屋のほかに、商家16軒が立つ。火の見櫓がある辻広場や地蔵、稲荷も再現。
武家屋敷
武家屋敷は、佐倉の武家町(旧鏑木小路)に残る、江戸末期の中級武士の武居家をモデルに再現したもの。
上総の農家
上総の農家は、1857年に建てられた大網白里市砂田の秋葉家の主屋と、19世紀後半に建てられた市原市栢橋の内藤家の長屋門・土蔵・馬小屋・納屋・木小屋をモデルに、江戸後期の名主級の農家を再現。
下総の農家
下総の農家は、江戸中期に建てられた成田市堀之内の平山家をモデルに名主級の農家を再現。
主屋・土蔵・長屋門・灰小屋・木小屋・作業小屋で構成されている。
安房の農家
安房の農家は、江戸後期に建てられた南房総市増間(安房郡三芳村)の平野家をモデルに、安房国の一般的な農家を再現。
主屋・馬小屋・灰小屋で構成されている。
主屋は安房に多い別棟造。カブト屋根となっている。
風土記の丘資料館
風土記の丘資料館は考古資料館で、龍角寺古墳群を中心に県内の遺跡からの出土物などを展示している。
龍角寺古墳群の浅間山古墳の石室の実寸模型。中に入ることができる。
弥生時代中期(BC1世紀)の竪穴住居。
弥生時代後期(7世紀初期)の竪穴住居。
復元住居のほか、古墳の石室が屋外展示されている。
その他
農村歌舞伎舞台は、成田市前林の諏訪神社で明治8年に建てられた拝殿兼舞台をモデルに再現。
水車小屋は、江戸時代末期の動力用水車小屋を再現。
散策路沿いには、千葉県下で見られる綱つり・鹿島人形・辻切り等の民俗文化財も多数展示されている。