戸定が丘歴史公園
戸定が丘歴史公園は、千葉県松戸市の、JR常磐線・新京成線の松戸駅より南へ徒歩11分に位置する、旧水戸藩主の邸宅跡。
旧水戸藩主・徳川昭武が明治期に構えた邸宅の敷地の1/3に当たる2.3haを公園整備したもので、家屋や庭園が残るほか、資料館や茶室が新造されている。
徳川昭武(1853-1910年)は明治2年に水戸藩主となるも、同年の版籍奉還で水戸藩知事となり、更に同4年の廃藩置県で藩知事を免ぜられて東京で暮らし、明治17年の隠居に際して松戸に移住した。
茅葺きの表門も徳川邸の遺構だが、文化財指定はされていない。
戸定歴史館は徳川家伝来品等を有料公開。
茶室松雲亭は昭和53年築。
東屋庭園は、明治20年に拡張整備された庭園部分を、平成30年に当時の状態に復元。
戸定邸
「戸定邸」は徳川昭武旧邸の家屋と書院造庭園を有料公開したもの。家屋は大部分が明治17年の完成で、表座敷棟、中座敷棟、奥座敷棟、離座敷棟、湯殿棟、玄関棟、台所棟、内蔵棟の8棟が国指定重要文化財で、廊下によって接続されている。江戸期の大名家の下屋敷形式を踏襲した造りだが、規模は大幅に縮小されている。
また庭園は「旧徳川昭武庭園(戸定邸庭園)」の名で国指定名勝。
毎月の5の倍数の日(5, 10, 15, 20, 25, 30日)のみ、庭園に降りることが可能で、建物の外観を見ることもこの日のみ。
玄関棟は国指定重要文化財。表玄関のある建物と、使者の間がある建物で成る。
使者の間がある建物は玄関棟の一部。貴人の使者が用件を伝えたり、賓客の御供が待機した建物。戦後、他所に移築されていたが、旧地へ再移築された。
台所棟は国指定重要文化財。この棟は内部非公開。
中座敷棟は国指定重要文化財。邸宅竣工後、子供のために増築されたと推測され、その後は衣裳部屋・化粧部屋に利用された。
離座敷棟は国指定重要文化財。明治19年に生母・秋庭のために増築。
奥座敷棟も国指定重要文化財。後妻・八重が生活した。
湯殿棟は国指定重要文化財。
内蔵棟は国指定重要文化財。
表座敷棟は国指定重要文化財。北面に雪隠が附属する。
表座敷棟には客間や当主の書斎などがあった。
庭園は国指定名勝。明治20年までに西と南の書院造庭園が完成し、同20年に南に拡張し(現・東屋庭園)、更に同23年にも拡張し完成。
洋風技法の芝生の周囲に植樹。東屋や表座敷棟からは江戸川や富士山が望むことができた。
松戸駅近辺には他に、松戸神社や金山神社などがある。