靖国神社は、東京都千代田区の九段にある、全国の護国神社・招魂社の事実上の総本社。戦前の社格は別格官幣社。当社についての詳細は靖国神社の記事を参照。
靖国神社では春季と秋季の年2回例大祭が催され、秋季例大祭は毎年10月17~19日に開催される。
靖国神社 秋季例大祭
靖国神社では春秋の年2回例大祭が催され、双方に勅使の派遣がある。秋の例大祭は曜日に関わらず10月17~19日に固定されている。また奉祝行事としてスポーツの日に草鹿式も奉納される。
祭儀としては10月17日に清祓(祭儀に関わる全てを祓い清める)、18日に当日祭、19日に第二日祭と直会が行われ、その中心となるのは勅使の参向がある18日の当日祭である。
例大祭の祭儀の構成は春と秋でほぼ同じであるが、秋でのみ霊璽奉安祭が執り行われる。
神門には日章旗とともに真榊が飾られる。
靖国神社の拝殿の幕は通常は白地だが、祭礼のとき(例大祭に限らず)は紫地の幕となる。
当日祭
18日の当日祭は例大祭で最重要の神事で、天皇からの供物を献ずる勅使の臨席のもと、神饌を供えて祭神を慰霊し世の平和を祈る。なお、19日の第二日祭においても同様の神事が行われるものの、勅使の参向は無い。
霊璽奉安祭
春秋の例大祭の最大の違いはこの霊璽奉安祭の存在で、秋季例大祭でのみ行われる。これは新規に合祀する祭神の霊璽を奉安する神事で、当日祭の前夜(つまり17日の夜)に執り行われる。
照明が落とされ、篝火の中社殿へと向かう神職たち。
『明治東京歳時記』によると、東京招魂社から靖国神社と改称した明治12年当時は、春季例大祭は戊辰戦争の伏見・上野の役、佐賀の乱、台湾の役の戦死者を、秋季例大祭は戊辰戦争の越後・奥羽・函館の役、萩の乱、神風連の乱、西南戦争の戦死者を祀る祭礼で、境内では競馬、撃剣、相撲、神楽、能楽などが奉納され、昼も夜も花火が打ち上げられ、見世物小屋や芝居、露天商が出店したという。
奉納行事
毎年、秋季例大祭期間中には生花や菊花が展示され、能楽堂においては連日、民謡、舞踊、古武道演武などが奉納される。
草鹿式
毎年、例大祭の少し前に当たるスポーツの日(旧・体育の日)に、草鹿式という古式の弓術儀礼が、例大祭の奉祝行事の一環として奉納される。この行事に関する詳細は「靖国神社 草鹿式」の記事を参照。