明治神宮は、東京都渋谷区のJR山手線原宿駅前にある、日本でも有数の大神社。当社についての詳細は明治神宮の記事を参照。
明治神宮では春秋に大祭が催されるが、11月1~3日開催の秋の大祭の方が春の大祭より大規模である。
明治神宮 秋の大祭
11月1~3日開催の秋の大祭は当社の最重要な祭礼で、特に11月3日は祭神・明治天皇の生誕日であり、天皇から派遣された勅使が臨席するなか、例祭が執り行われる。
また付随する奉祝行事も、流鏑馬や古武道大会を筆頭に、春よりも秋の方が圧倒的に充実している。
例祭
祭典式としては、11月1日に鎮座記念祭と第一日夕御饌の儀が、2日に第二日の儀が、そして3日に例祭が行われる。
例祭には勅使が参向する(到着は、先発の神職らとは時間差がある)。
例祭の間、廻廊西門の外には外交官ナンバーの黒塗り高級車がズラリと駐車する。
奉納行事
これら祭儀に伴い、11月1日直前の週末には舞楽が、また11月1~3日には郷土芸能、能・狂言、邦楽邦舞、薩摩琵琶が、毎年奉納される(ただし能・狂言は撮影禁止)。
第二鳥居前では郷土芸能が奉納される。
参道沿いの菊花展も都内有数の規模。なお、菊花は大祭の期間中だけでなく、約1ヶ月間展示される。
回廊には奉納された生花が展示される。
全国から奉納された銘酒や銘菓、特産物も回廊に展示される。
古武道大会と合気道演武
境内北西部の芝生では11月3日の終日、日本古武道振興会主催で江戸時代より伝わる古武道の演武大会が開かれる。秋の大祭での古武術奉納は、明治神宮が創建された大正9年(1920年)の11月1~3日の鎮座祭において、大日本武徳会(戦前の巨大古武術団体)が古武術演武を奉納して以来の伝統がある。
古武道大会は朝10時より閉門間際の16時まで。約60流派が、剣術・居合・柔術・槍術・薙刀をはじめとした各種武術の演武を披露する。
古武道大会の会場のすぐ隣では合気道演武が行われる。合気道は近代に成立した武道であるため、古武道大会とは別枠のようだ。同様に、弓道場でも弓道大会が催される。
流鏑馬
秋の大祭の目玉行事の一つとして流鏑馬が奉納される。流鏑馬は昭和7年に始まったもの(戦後に一時中断)で、23区内の他の流鏑馬が小笠原流であるのに対し、明治神宮では武田流で執り行われる。
始まるのは例年13時からであるが、それ以前の時間帯にも騎乗での馬場馴らしが(本番よりも簡易な装束で)行われる。
百々手式
宝物殿の少し東にある芝生では、古式の弓術儀礼である百々手式が開催される。10人が10手ずつ(1手は2矢)射るので「百々手」と呼ばれる。なお、1月の成人の日にも、同じ場所にて成人の日祝賀百手式が行われる。
宝物殿の公開
当社の宝物殿は大正10年の竣工で、国の重要文化財に指定されている。
明治神宮ミュージアムの開館をもって、旧来の役目を終えたが、その後に資料館として整備され、春秋の大祭にあわせて有料公開されるようになった。
当館に関する詳細は「明治神宮 宝物殿」の記事を参照。