五条天神社は、東京都台東区の上野公園内に、花園稲荷神社と境内をほぼ共有して鎮座する神社。当社についての詳細は五条天神・花園稲荷の記事を参照。
2月3日の節分の日には、15:00~16:00頃、古態を残すとされる、病鬼を払う追儺式「朮勝(うけら)の神事」が催される。
うけらの神事
節分の日(2月3日)には、まず節分祭として年男年女が社殿内で礼拝し、神職が祝詞を奏上後、方相氏(鬼を退ける4つ目の者)が現れ弓を引く。次に、蟇目式として宮司が蟇目鏑という弓矢で鬼や病を祓う。そして病鬼が現れ、方相氏と争い、更に斎主が病鬼と問答し、鬼は神威に恐れをなし退散。最後に豆まきが行われる。
またこの間「うけら焚き」として、社殿ではオケラが一貫して焚かれている。ウケラはオケラというキク科の多年草の古名で、芽は食用に、根は漢方の胃薬に用いられる。オケラを焚くのは病鬼を威圧するためとされる。
まず神職が祝詞を奏上して始まる。
方相氏(鬼を退ける役目の、4つ目の者)が現れ、四方に向かって弓を引く所作をする。
次に、蟇目式として、宮司が病や鬼を払うために鏑矢を放つ所作をする。
ここで、病鬼(赤鬼と青鬼)が表参道の方面から登場し、社殿の方へ向かう。15:50頃。
拝殿前の仮設ステージにおいて、進もうとする赤鬼と青鬼を方相氏が妨げる。
そして斎主(氏子総代)が現れ、赤鬼・青鬼と問答。
問答で鬼らは神威に恐れをなし、方相氏が弓を矢で三回叩くと退散。
最後(16:00頃)に豆まき。「福は内」は唱えずに「鬼は外」だけを連呼。豆まき後、焚いたうけらの煙が棚引く方向で吉凶を占う。
神事後は「うけら餅」も授与される。うけらと餅のセットで、そのうけらを焚きながら餅を焼いて食べると、その一年を無病息災で過ごせるとされる。