光明寺
光明寺は、神奈川県鎌倉市の、JR横須賀線・江ノ島電鉄の鎌倉駅より南へ徒歩25分の地に位置する、浄土宗(鎮西派)の七大本山の一つ(総本山は京都・知恩院)。
鎌倉時代の仁治元年(1240年)、佐助ヶ谷で蓮華寺として創建され、寛元元年(1243年)には材木座へ移り光明寺と改めた。関東における念仏道場の中心となり、室町時代の明応4年(1495年)には後土御門天皇より関東総本山の号を受け勅願寺にも定められた。また江戸時代には浄土宗関東十八檀林(教育機関)の筆頭となった。
大規模な山門や本堂が立ち、小堀遠州作と伝える庭があるなど、境内は整っている。
総門は寛永年間の建立と伝える。鎌倉市指定有形文化財。
山門は1847年建立。大規模な二重門で神奈川県指定有形文化財。鶴岡八幡宮の表門を移築したとも伝える。
大規模な大殿(本堂)は1698年築。旧祖師堂。国指定重要文化財。※2030年頃まで修理工事。
三尊五祖来迎之庭は大殿左側に造られた枯山水庭園。三尊(極楽浄土の阿弥陀仏・観音菩薩・勢至菩薩)と五祖(浄土宗五大祖師の釈尊・善導・法然・鎮西・記主)の来迎を表現している。
開山堂は平成14年築。
記主庭園は小堀遠州作と伝える池泉庭園。名は開山良忠上人の諡号「記主禅師」より採った。
大聖閣は平成21年建立。初層が方形、二層が八角円堂となっている。
鐘楼は1847年建立。
繁栄稲荷堂は1802年築。
石塔が林立する延岡藩主内藤家の墓所 [地図] は、江戸時代に江戸・霊巌寺から移された。鎌倉市指定史跡。墓地北側の道路から見ることができる。
裏山の天照山に鎮座する神明社(天照大神宮)は天照・春日・八幡の三神を祀る。
天照山には秋葉大権現や、開山・良忠上人らの墓所、開基・北条経時の墓所もある。
十夜法要
浄土宗で広く行われる十夜法要は、永享年間(1429-1441年)に京都の天台宗・真如堂で始まり、明応4年(1495年)に光明寺で十夜法要を行うことを勅許されてより、浄土宗門内に広まったという。
かつては旧暦の10月5日夜から15日朝まで十日十夜にわたって法要を行っていた。光明寺では現在、毎年10月12~15日にかけて、双盤念仏や練行列などが行われる。
元・奥ノ院
鎌倉大仏で知られる高徳院は、江戸時代に臨済宗から浄土宗に転じたのち、光明寺の奥ノ院に位置づけられていた。