熊谷寺
熊谷寺(ゆうこくじ)は、埼玉県熊谷市の、JR高崎線・秩父鉄道の熊谷駅より北西へ徒歩16分の地に位置する、浄土宗の寺院。
正式には蓮生山常行院熊谷寺。
境内は熊谷郷を本拠とした熊谷氏の居館跡で、熊谷直実(1141-1207年)はここで生誕。直実は平家物語で源氏勢として平敦盛を討ち取ったことで知られ、後に直実が出家して草庵「蓮生庵」を結び、埋葬されたのも境内とされる。
天正19年(1591年)、幡随意上人が蓮生庵の跡に熊谷寺として中興。
通常は非公開だが、4月のお花まつりと8月16日の大施餓鬼会法要で公開される。
山門は常日頃は閉じられているが、公開日には開扉される。
幡随意が熊谷寺建立のため当地にあった池を埋めんとすると、そこに棲む雌雄の龍が民を害し、幡随意を追い出そうとしたので、幡随意はその龍を調伏して高誉妙龍・龍誉高天の法名を授け、この井戸に封じた。
本堂は大正5年建立。本尊下には戒檀廻りがあると言う。
本尊は、熊谷氏伝来の阿弥陀如来像。
直実の墓の左には夫人・相模の方の、右には息子・直家の墓もある。
なお、県内の美里町にある蓮生堂も直実の墓と伝える。
鐘楼は隣の伊奈利神社から見ることができる。
伊奈利神社
伊奈利神社は、熊谷寺に隣接する、熊谷寺の旧鎮守。奴稲荷、弥三左衛門稲荷とも通称される。
直実は常日頃から稲荷像を礼拝していたが、源平合戦中、熊谷弥三左衛門と名乗る武士の姿などで現れて直実を助けたので、直実は帰郷した元久2年(1205年)、弥三左衛門稲荷と号して居館の鎮守に祀った。
明治2年、熊谷寺から分離され鎌倉町の八坂神社境内に遷座したが、明治31年に旧地に復した。
伊奈利神社
埼玉県熊谷市仲町43 地図
熊谷駅周辺には他に、高城神社や星渓園、片倉シルク記念館などがある。