妙典寺
妙典寺(みょうでんじ)は、埼玉県和光市の、都営三田線の西高島平駅より西へ徒歩21分に位置する、日蓮宗の寺院。正式には長光山本覚院妙典寺。
鎌倉時代の文永8年(1271年)、佐渡へ流される途次の日蓮が新倉(和光市内)を通るとき、新倉領主・隅田時光にその妻の安産の護符を授け、無事に出産できた。ゆえに時光は日蓮に帰依し、弘安4年(1281年)に出家して新倉に妙典寺と妙蓮寺(廃寺)、新曽に妙顕寺を創建、三妙三長ノ道場と称された(なお、妙顕寺も当初は新倉にあったが至徳元年(1384年)に現在地へ移転した、との異伝もある)。
境内は整っている。
総門は常日頃から閉ざされているが、脇から出入りできる。
山門は江戸後期に当たる文化年間(1804-1818年)の建立。
本尊は一塔両尊四士。
鐘楼は明治30年建立。
法華堂は、日蓮が安産祈願の護符をしたためた、時光邸の持仏堂の旧跡。
日蓮は、古くからあるこの池の脇に生えている柳の枝を折って筆とし、懐紙に池の水で安産の護符を記し、護符を産婦の腹に当てて泉の水を産婦の口に注いだ。
別伝では、日蓮が地面の凹みを懐中の柳の枝で穿つと泉が涌いたので、その水を産婦の口に注ぎ護符を飲ませたが、その泉がこの池となったとする。
当寺の御会式は10月26日で、万灯練供養が行われる。
西高島平駅より妙典寺に至る途中には吹上観音(東明寺)がある。また少し南西には下新倉氷川八幡神社が鎮座する。