大円寺
大円寺は、東京都文京区の、都営三田線の白山駅より徒歩3分、または東京メトロ南北線 本駒込駅より徒歩4分の地に位置する、曹洞宗の寺院。
山号は金龍山。
慶長2年(1597年)、神田柳原に創建。慶安2年(1649年)に現在地へと移転。
八百屋お七由縁のほうろく地蔵もある。
なお、『本郷區史』によると、堂後に仁徳天皇陵と伝える古塔があるという。
山門の正面にはほうろく地蔵。
戦後に再建された木造本堂は若干変則的な形状をしている。
本尊は釈迦如来。
幕末の砲術家である高島秋帆(1798-1866年)の墓は国指定史跡。
八百屋お七とほうろく地蔵
当寺は、3500人が亡くなったという天和の大火(1683年)の火元である。この時の八百屋お七についての有名な俗説は、「八百屋の娘のお七は天和の大火で家族と焼け出され、避難先の寺(近くの円乗院や吉祥寺などの説あり)で寺の小姓と恋仲となる。やがて再建された自宅に戻ったお七は、再び火事になれば想い人に会えるかもと自宅に放火し、火刑に処された」という筋立てのもので、歌舞伎や浄瑠璃や浮世絵などの題材となった。ただし、話の粗筋には結構バリエーションがあり、また実際にわかっているのは、お七という娘が放火の罪で処刑されたことだけである。
境内には、八百屋お七を供養するため1719年に建てられたほうろく地蔵がある。この地蔵は、お七のために熱したホウロク(浅い素焼きの土鍋)をかぶって焦熱の苦しみを受けているとのことで、首から上の病気平癒に霊験ありといい、祠の前には願いを記したホウロクが多く納められている。なお、現地にあった説明板には、当寺が火元だったとはさすがに書いていなかった。