本駒込駅周辺の寺町
東京メトロ南北線の本駒込駅および都営三田線白山駅の周辺一帯には、由緒ある寺院が多く集まっている。
旧来の駒込は、現在は豊島区と文京区とに分断されており、文京区側の駒込地区の現町名は本駒込・向丘・千駄木・西片となっている。
本駒込とは本郷区(文京区)の駒込であることに由来するものだが、実際に町名となったのは、昭和41年の町名変更時である。
本駒込
文京区内の旧駒込地区のうち、本駒込駅以北の地域の各町が合併した新町名。
吉祥寺
吉祥寺は、本駒込駅より北へ徒歩4分の地に位置する、曹洞宗の名刹。
山号は諏訪山。
長禄2年(1458年)に江戸城和田倉門に創建され、神田駿河台を経て、明暦3年(1657年)の大火で焼失して現在地に移転。
江戸時代には旃檀林(駒澤大学の前身)が置かれていた。
当寺に関する詳細は吉祥寺の記事を参照。
駒込富士神社
駒込富士神社は、本駒込駅より北へ徒歩8分の地に位置する神社。
天正元年(1573年)に本郷に創建され、寛永5~6年(1628~29年)頃に現在地に遷座。
彩色された石碑が林立する富士塚上に鎮座する。
当社に関する詳細は駒込富士神社の記事を参照。
6月30日~7月2日には山開祭が、8月28日には山閉いの鎮火祭が、催される。
駒込天祖神社
駒込天祖神社は、本駒込駅より北へ徒歩10分の地に位置する、旧駒込村の総鎮守。
文治5年(1189年)創建。
9月には例大祭が催される。
徳源院
徳源院は、本駒込駅より北東へ徒歩3分の地に位置する臨済宗妙心寺派の寺院。
山号は慈雲山。
寛永7年(1630年)に湯島に創建し、天和2年(1682年)に現在地へ移転。
山門からは美しい庭が覗けるが、山門内は進入禁止。
養源寺
養源寺は、本駒込駅より北東へ徒歩4分の地に位置する臨済宗妙心寺派の寺院。
山号は白華山。
元和2年(1616年)に湯島に創建され、明暦3年(1657年)の大火で焼失し現在地へと移転。
小田原藩主稲葉家および椎谷藩主堀家の墓所が残る。
なお、本駒込から道一本隔てて千駄木の内にあり、徳源院からも至近距離にある。
南谷寺
南谷寺は、本駒込駅より北へ徒歩2分の地に位置する天台宗の寺院。
正式には大聖山東朝院南谷寺。
元和年間(1615-24年)に駒込村動坂に創建され、寛永5年(1628年)頃に現在地に移転。
不動堂に安置する目赤不動は江戸五色不動尊の一つ。
龍光寺
龍光寺は、本駒込駅より北東へ徒歩3分の地に位置する、臨済宗東福寺派の寺院。
山号は天澤山。
寛永9年(1632年)に創建され、明暦2年(1656年)に現在地へと移転。
丸亀藩主京極家および唐津藩主小笠原家の菩提寺であり、現在も立派な石塔が残る。
向丘
文京区内の旧駒込地区のうち、本駒込駅以南の地域の各町が合併した新町名。
駒込大観音(光源寺)
駒込大観音(光源寺)は、本駒込駅より東へ徒歩6分の地にある、浄土宗の寺院。
正式には天昌山松翁院光源寺。
天正17年(1589年)に神田四軒町に創建され、慶安元年(1648年)に現在地へと移転。
6mもの大観音像がある。
当寺に関する詳細は駒込大観音(光源寺)の記事を参照。
7月9~10日にはほおずき市が立つ。
海蔵寺
海蔵寺は、本駒込駅より南東へ徒歩5分の地に位置する、曹洞宗の寺院。
山号は大智山。
創建年代については、永正年間(1504-20年)説など諸説ある。
江戸時代の富士講の伝説的行者である食行身禄の、富士塚風の墓がある。
当寺に関する詳細は海蔵寺の記事を参照。
大円寺
大円寺は、白山駅より西へ徒歩3分、または本駒込駅より南へ徒歩4分の地に位置する、曹洞宗の寺院。
山号は金龍山。
慶長2年(1597年)に神田柳原に創建され、慶安2年(1649年)に現在地へと移転。
八百屋お七由縁のほうろく地蔵や、国指定史跡である高島秋帆墓がある。
当寺に関する詳細は大円寺の記事を参照。
白山
白山は近代の駒込の内ではないが、本駒込に西で接する地区。本駒込との境界に近い地域は江戸時代は駒込村の一部であった。
白山神社
白山神社は、白山駅より西へ徒歩1分、または本駒込駅より南西へ徒歩5分の地に位置する鎮守社。
天暦2年(948年)に本郷元町に創建され、一度の遷座を経て、明暦元年(1655年)に現社地に再遷座。
明治初期に一時的に准勅祭社の制が定められた際、その1社となった。
当社に関する詳細は白山神社の記事を参照。
6月にはあじさいまつりが、9月には例大祭が催される。
心光寺
心光寺は、白山駅より南へ徒歩1分、または本駒込駅より南へ徒歩5分の地に位置する浄土宗の寺院。
正式には幡念山浄雲院心光寺。
寛永5年(1628年)創建の幡稲山浄雲院と、同年に西片に創建された護念山薬王院心光寺が、明治42年に合併して成立。
小規模な寺院だが、境内は良く整えられている。