澤蔵司稲荷(慈限院)

澤蔵司稲荷慈限院は、東京都文京区の、東京メトロ南北線・丸ノ内線の後楽園駅および都営三田線・大江戸線の春日駅より北へ徒歩9分の地に位置する、浄土宗の寺院。
山号は無量山。
近隣にある伝通院の元子院。
慈限院は澤蔵司稲荷の別当寺であり、明治維新時の神仏分離を乗り越えた、神仏習合色を色濃く残す寺院である。
澤蔵司稲荷は、江戸城内の稲荷大明神が澤蔵司なる僧に化身して伝通院で修行し、元和6年(1620年)に霊夢で伝通院の守護となることを約したので沢蔵司稲荷として祀られた社で、同時にその別当寺として慈限院が創建された。
澤蔵司稲荷を祀る本殿・神殿は神社の社殿に近い形状で、神社のように(春秋に)例大祭が行われる。
なお、慈限院は浄土宗の寺院であるので、澤蔵司稲荷の堂では稲荷を祀っているが、本尊はあくまで阿弥陀如来である。

伝通院
スポットガイド
伝通院 | 東京都文京区
徳川将軍家の準菩提寺
参道
沢蔵司稲荷
 
沢蔵司稲荷

手水舎は明治43年の建立。
江戸時代は参道には鳥居が立っていた。

本殿と神殿
澤蔵司稲荷

本殿(神社の拝殿に相当)は昭和36年の、その背後にある神殿(神社の本殿に相当)は昭和30年の建立。

本地堂
沢蔵司稲荷

小祠であるが本地堂もあり、本地仏として十一面観音を祀っている。
本地堂は、本地垂迹思想(仏が仮の姿として神として顕現する)に基づき、神を祀る社においてその本来の姿の仏を祀る堂である。本地堂は仏教建築の事が多いのだが、澤蔵司稲荷では神社建築である。

「お穴」参道
沢蔵司稲荷

霊窟「お穴」へ下る参道沿いには朱塗りの鳥居が並ぶ。周囲は黒ボク石が配されている。祠は2017年に建て替えられた。

お穴
澤蔵司稲荷

霊窟は、かつては狐が棲む穴と言われていた。

お穴のさらに奥への参道
沢蔵司稲荷

お穴のさらに奥へと参道は続く。

最奥の祠
沢蔵司稲荷

参道の終点には稲荷の小祠がある(覆屋内に小祠がある)。

澤蔵司の魂が宿る神木
澤蔵司稲荷

境外の一般道(かつては伝通院境内)に澤蔵司の魂が宿る神木とされるムクノキが取り残されている。樹齢約400年と言われ、文京区の天然記念物に指定されている。

年中行事

節分会

澤蔵司稲荷では節分追儺式は、2月3日ではなくその直近の日曜日に催される。社殿内で護摩を焚いたのち、豆まきをする。

節分会 豆まき
澤蔵司稲荷 節分
 
澤蔵司稲荷 節分

文京朝顔・ほおずき市

7月中下旬の文京朝顔・ほおずき市のメイン会場は伝通院と源覚寺だが、澤蔵司稲荷もサブ会場となりパフォーマンスなどが催される。この行事に関する詳細は「文京朝顔・ほおずき市」の記事を参照。

文京朝顔・ほおずき市
イベントガイド
文京朝顔・ほおずき市 | 東京都文京区
7月 - 伝通院の朝顔市と源覚寺のホオズキ市
パフォーマンス
澤蔵司稲荷
澤蔵司稲荷(慈限院) 公式HP
東京都文京区小石川3-17-12 地図
アクセス:地下鉄 後楽園駅・春日駅より徒歩9分
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