善福寺
善福寺は、東京都港区の、東京メトロ南北線・都営大江戸線の麻布十番駅より南西へ徒歩6分の地にある、浄土真宗本願寺派の寺院。
天長元年(824年)に弘法大師空海によって真言宗寺院として創建され、鎌倉時代に親鸞の布教で浄土真宗に改宗した。
境内の諸堂は第二次世界大戦で戦災焼失し、現在の寺観は戦後に整えられた。
大型の本堂は、当初は京都東本願寺の大阪八尾別院の本堂として江戸時代に建造されたもの。また勅使門の異名を持つ中門もある。
境内には日本初の米国公使宿館が1859年から1875年まで置かれたので、東京都指定旧跡でもある。
参道の正面に善福寺があり、参道の両脇には子院が並ぶ。
柳の井戸は、境内にある湧水。空海が鹿島大明神に祈願して錫丈を突き立てると、清水が湧き出し、その代償として鹿島神社の七つの井戸のうち一つが空井戸になったと伝える。
空海が旅の途中で湧かしたと伝承される泉(いわゆる「弘法清水」)は全国に多数あるが、ここもその1つ。
中門は勅使門とも呼ばれている。現在のものは戦後の昭和55年に再建。勅使門の名は、1274年の文永の役(元寇)の際、勅願寺として当寺に亀山天皇の勅使を迎えた事に由来する。
東京都内で名前だけでも「勅使門」が現存するのはおそらく当寺と八王子市の広園寺・永林寺のみ。
大型の本堂は港区指定有形文化財。
当初は京都東本願寺の大阪八尾別院の本堂として1767年(善福寺のHPには1607年の築とあるが、『港区の歴史的建造物』や港区HPの文化財の紹介では1767年の築とある)に建造され、京都東本願寺御影堂、再び東本願寺八尾別院を経て、現在地には戦後に移築された。
逆さイチョウは樹齢750年以上と推定され、国指定天然記念物。親鸞のついた杖から生えてきたと伝える。
墓地に生えているのだが、墓地内は撮影禁止なので、塀越しの写真しか撮れない。