本行寺
本行寺は、東京都大田区の、東急池上線の池上駅より徒歩12分にある日蓮宗寺院。
日蓮宗49本山の一つで、大坊と通称する(日蓮・法華宗諸派のうち、教団「日蓮宗」には、総本山久遠寺の下に、七大本山と49本山があり、あわせて57本山とも称する)。
鎌倉時代の建治2年(1276年)に池上氏館内の持仏堂を法華堂としたのが起源。弘安5年(1282年)に宗祖日蓮が池上氏館滞在中に没すると、翌年にその居館が寄進され、本行寺の開創に至った。
宗祖日蓮の入滅の地として東京都指定旧跡となっており、大本山本門寺の子院の中では最も寺格が高く、照栄院、理境院とともに池上三院家の一つである。
なお、当寺を含めた池上本門寺周辺の子院については池上本門寺周辺の子院を参照。
本堂は1716年に建立され、1981年に大改造された。
ご臨終の間は、日蓮が死去した池上邸の仏間跡で、東京都指定史跡。現在の建物は昭和27年再建。
御会式桜は宗祖日蓮入寂(旧暦10月)の折に開花したとされる桜で、現在も秋から春にかけて花を咲かせる。
左から、御硯井戸、毘沙門堂、瘡守稲荷、旅着堂、御灰骨堂。
旅着堂には、旅姿の日蓮像が収められている。1734年建立。
御灰骨堂には、日蓮を火葬にした灰が収められている。池上本門寺の大聖人旧御廟所の建物を、昭和54年に移築したもの。
なお、御灰骨堂内の厨子は流造の神社建築。
萬霊供養塔は明治7年の建立。
三日月藩は兵庫県にあった藩。藩主家であった森家の墓所が、境内背後の墓地にある。
主な年中行事
本行寺の特徴的な年中行事としては以下のようなものがある。
2月11日 星祭り祈願会
午後、本堂前で水行が行われる。この時期、千葉県市川市の中山法華経寺での荒行を終えた僧たちが各地の日蓮宗寺院で水行を披露するが、当寺もその1つである。なお、この日の午前中には瘡守稲荷大祭が催される。
9月18日 宗祖池上御入山会
9月18日は宗祖日蓮が池上に到着した日であり、この日にはそれを記念して日中に法要が行われるとともに、夜には万灯練り行列が行われる。この行事に関する詳細は「本行寺 宗祖池上御入山会」の記事を参照。
10月11~13日 池上本門寺お会式
10月13日は日蓮が入寂した日で、各地の日蓮宗寺院ではこの日前後に御会式が行われる。特に池上本門寺の御会式は名高く、12日の万灯練り行列は非常に規模が大きい。この日、本行寺にもまた、一部ではあるが、万灯が向かう。