渋谷氷川神社
渋谷氷川神社は、東京都渋谷区の、JR渋谷駅より北東へ徒歩12分の地に位置する、下渋谷の鎮守。
景行天皇40年(西暦100年)、東征中の日本武尊が、当地に素盞鳴尊を勧請したのが創祀。また一説に源頼朝が勧請した社だとも言う。
都心ながら、第二次大戦の戦禍を免れた端正な社殿を維持する。
この相撲場は、江戸郊外三大相撲の一つとされた金王相撲の名残り(他の二社は大井鹿嶋神社と世田谷八幡宮)。江戸時代、ここでの相撲では喧嘩が起きようが死人が出ようが奉行所は一切取り上げないこととなったため「喧嘩御免の金王相撲」と呼ばれた。
現在の社殿は拝殿・幣殿・本殿を連結した権現造で、昭和13年竣工。通常は神社の側面には立ち入れないが、例大祭時などに可能。
なお、前代の社殿も世田谷区に移築現存(後述)。
境内社厳島神社は切妻造で、神明造風に棟持柱を立てている。更に、脇障子が前方にある、という変則的な社殿。脇障子が前方にある神社社殿は、奈良県周辺にある程度分布するが、それらはおそらくみな春日造か流造である。
本社神輿は平成元年製作。
旧本社神輿は明治33年製作。台輪幅4尺の大型神輿。
年中行事
こども相撲大会
7月には土俵でこども相撲大会が開かれ、土俵祭が行われた後、幼児から小学生までの取組が行われる。
例大祭
渋谷氷川神社の例大祭は9月中旬頃に催される。境内には比較的多くの露天商が軒を並べ、神楽殿では里神楽などが奉納される。また毎年、子供神輿や大人神輿の連合宮入が組まれるほか、本社神輿が車渡御する年もある。この行事に関する詳細は「渋谷氷川神社 例大祭」の記事を参照。
移築された旧社殿
世田谷区の東玉川神社の社殿は、渋谷氷川神社の旧社殿(江戸後期建立)を、昭和15年に移築したもの。
拝殿・幣殿・本殿からなる権現造の社殿で、現在は世田谷区の登録有形文化財となっている。
明治の神仏分離までは、隣の宝泉寺が当社の別当寺であった。