江島杉山神社
江島杉山(えじますぎやま)神社は、東京都墨田区の、JR総武線の両国駅より徒歩7分、または都営大江戸線・新宿線の森下駅より徒歩9分の地に位置する鎮守社。
元禄6年(1693年)、鍼灸師の杉山検校(杉山和一、1610-94年)が、自邸内に江ノ島弁財天を勧請したのが創建で、本所一ツ目弁天社として信仰を集めた。また和一の没後、杉山和一霊牌所の即明庵も創建された。
明治4年、屋敷は没収されたが神社は残り、江島神社と改称。明治23年には即明庵を、杉山検校を祀る境内末社・杉山神社として再興。
昭和27年の社殿再建に際し、杉山神社を合祀して江島杉山神社と改めた。
二ノ鳥居の正面には拝殿があり、その左脇には社務所兼杉山和一資料館が立つ。
社殿は昭和27年建立。本殿・幣殿・拝殿を連結した権現造。
贈正五位杉山検校頌徳碑は大正13年に建立された点字石碑。
岩屋
当社の境内にある岩屋は、江ノ島岩屋を模して築造された。杉山検校は江の島岩屋に参籠中に管鍼法を考案したとも伝え、江島神社を深く崇敬した。
この岩屋は1793年に修築され、昭和20年の空襲で大きく毀損したため鉄筋コンクリートで補修されている。
中には宗像三神(弁財天)や宇賀神(しばしば弁財天と同一視または同一で祀られる人面蛇体の神)が祀られている。
杉山和一資料館
現在本殿に合祀されている杉山和一は江戸時代に盲人として検校の地位にまで登り詰め、杉山検校と呼ばれた人物である。検校とは中世から近世にかけての盲人組織の最高官位で、幾つかのランクがあるが、杉山和一は関東の盲人を統括する惣禄検校であった。杉山和一は江戸で鍼灸で名を馳せて検校の地位に登り、徳川綱吉から当地に屋敷地を賜り、そこに当社を建て、世界初の盲人教育施設という杉山流鍼治導引稽古所を1693年に開設し鍼・按摩を教導したのである。
境内には平成28年に杉山和一資料館が開設され、両国にぎわい祭りなどの折に宝物が公開される。
例大祭
江島杉山神社の例大祭は6月中旬に催される。当社の氏子は2ヶ町で、3年ごとに町神輿が宮入り後、連合渡御を行う。
当行事に関する詳細は「江島杉山神社 例大祭」の記事を参照。