天王寺
天王寺は、東京都台東区の、JR日暮里駅にほぼ隣接する天台宗の寺院。山号は護国山。
谷中の寺町の中心的な寺院の一つで、谷中霊園のかなりの部分は江戸時代は天王寺の境内であった。
平安時代の文永11年(1274年)、日蓮宗の感応寺として創建。江戸時代の元禄11年(1698年)、禁制であった不受不施派(法華信者以外からは、布施を受けず供養も施さないとする宗派)に属していたため住職は島流しとなり、天台宗に改宗することで存続。寛永寺の北にあることから、比叡山延暦寺の北にある鞍馬寺に倣い毘沙門天を本尊とし、天保4年(1833年)頃には、の毘沙門天王にちなみ寺名も天王寺に改称。なお、明治以降は本尊は阿弥陀如来となり、毘沙門天は毘沙門堂に祀っている。
向唐門は、近代的な山門の脇にある。『東京都の近代和風建築』は、番小屋と共に明治期のものと推定している。
本堂は昭和57年にRC造で建立。
書院も昭和57年に建立。
毘沙門堂は昭和39年、谷中五重塔の残材で建立。
釈迦如来坐像は当寺が日蓮宗だった時代の1690年に建立された。基壇は昭和8年のRC造で、昭和13年に内部に納骨堂が造られた。
夜間に境内に入ることはできないが、山門の前からライトアップされた大仏を見ることができる。