日野の宿場町
日野宿は、東京都日野市の、現在のJR中央線日野駅の前にあった、甲州街道の宿場町。
江戸時代初頭の慶長10年(1605年)に整備された宿場町で、その面影を残す寺社・建物が多少残る。
JR日野駅
JR中央本線日野駅の駅舎は昭和12年竣工で民家風。旧官設鉄道日野駅。
宝泉寺
宝泉寺は、JR日野駅から南へ徒歩2分の地に位置する、臨済宗建長寺派の寺院。山号は如意山。
鎌倉末期の元徳年間(1329-1332年)創建。当初は姥久保(現・新町)にあったが16世紀末に焼失し、その後現在地へと移転。
本堂前は石庭風に整えられている。
本堂は平成13年建立。
なお、墓地には新選組六番隊組長井上源三郎の墓がある。
日野八坂神社
日野八坂神社は、JR日野駅から東へ徒歩2分の地に位置する、日野宿の総鎮守。
創建年代は不詳だが、多摩川で見つかった牛頭天王像を祀って創建されたとされる。室町初期の応永5年(1398年)に普門寺が創建された際、当社の別当寺となった。現在地へは元亀元年(1570年)遷座。
本殿は壁面全面に彫刻が多く施されており、市の文化財に指定されている。
本殿は江戸後期の1800年建立で、壁面全面に彫刻が嵌め込まれている。日野市指定有形文化財。
覆屋内にあり、ガラス越しに覗うことはできるが、かなり見づらい。
明治維新の神仏分離まで、近くの普門寺(日野本町7-5-19)が別当寺であった。
大昌寺
大昌寺は、JR日野駅から東へ徒歩5分の地に位置する、浄土宗の寺院。
安土桃山時代の慶長7年(1602年)創建。境内の芝生が美しい。
渡邉家 旧店蔵
渡邉家の旧店蔵はJR日野駅から東へ徒歩4分の地に位置する。渡邉家は屋号を中村屋とし、味噌・醤油・酒を商った。
この旧店蔵は幕末から明治初期に建てられた土蔵だったが関東大震災で被災し、昭和5年に大谷石張りに改装した。またその際に下屋はコンクリートでバルコニー風に改造した。東京都選定歴史的建造物。
日野宿本陣
「日野宿本陣」は、JR日野駅から東へ徒歩6分の地に位置する、日野宿の脇本陣跡。
「日野宿脇本陣跡」として東京都指定史跡となっている。また幕末の1864年に竣工した母屋も残る(日野市指定有形文化財)。
当所に関する詳細は日野宿本陣の記事を参照。
有山家 旧店蔵
有山家の旧店蔵はJR日野駅から東へ徒歩9分の地に位置する。明治26年頃の竣工。
普門寺
普門寺は、JR日野駅から東へ徒歩7分にの地位置する、真言宗智山派の寺院。
室町時代の応永5年(1398年)、現在地より少し西に創建され、元亀元年(1570年)に現在地に移転。
明治維新の神仏分離令まで、日野八坂神社の別当寺であった。
手前の五重塔風の建物は樹木葬の預骨堂で、令和元年竣工。実際は三重で、裳階が付加され五重に見える。
観音堂は江戸後期の1807年に下河原の西明寺(廃寺)に建立され、明治10年に普門寺へ移築。日野市指定有形文化財。
仲田の森蚕糸公園 桑ハウス
桑ハウスは、JR日野駅から北東へ徒歩11分の地に位置する近代化遺産。
昭和7年に農林省蚕糸試験場の日野桑園第一蚕室として竣工。国登録有形文化財。
当所に関する詳細は桑ハウスの記事を参照。