源覚寺は、東京都文京区の、地下鉄の後楽園駅または春日駅より北3分の地にある、こんにゃくえんまで知られる浄土宗の寺院。当寺に関する詳細はこんにゃくえんま源覚寺の記事を参照。
毎年1月15~16日と7月15~16日には閻魔例大祭が催され閻魔像が開帳されるが、特に1月の閻魔例大祭では山伏による火渡り祈願が執り行われる。
冬季閻魔例大祭
1月に源覚寺で催される閻魔例大祭では火渡り祈願が行われる。仏教で火渡りを行うのは基本的には修験者(山伏)だが、修験道には真言宗系の当山派と、天台宗系の本山派がある。源覚寺は浄土宗の寺院で、火渡りを仕切っているのは当山派の山伏である。
江戸時代、1月15日は小正月、7月15日は盆であり、また翌1月16日と7月16日は商家の奉公人が休暇を貰う薮入り(藪入り)であり、地獄の獄卒も亡者を責めるのを休む(地獄の釜の蓋もあく)とされるようになり、ゆえに閻魔大王の祭礼が催されるようになった。
祭壇を前に、火渡り用の火を焚く。
それとは別に釜で沸騰させた湯を用いて、湯加持(熊笹の束で自らの顔に湯を浴びせる)を行う。
その後、火渡り用の整地を行った後、まず住職や山伏らが火渡りを行い、その後に祈祷を申し込んだ一般人が行う。
コンニャクを備えられた閻魔像
この閻魔像の由緒は、「江戸時代の宝暦年間(1751-1764年)、眼病で失明間近となったある老婆が、大好物のコンニャクを断ってこの閻魔に願掛けをした。すると結願の日に閻魔から片目を授けられる夢を見、朝起きると眼病は治っていたものの、なんと閻魔像の片目が盲となっていた。そこで老婆は終生コンニャクを断ち、閻魔像に捧げた−」というもの。それゆえ眼病に霊験ありされ、眼病の患者らがこの閻魔像にコンニャクを供える。
東京23区内で火渡りが行わるのは、他にも台東区の秋葉神社、品川区の品川寺、江戸川区の平井聖天(燈明寺)、世田谷区の桜神宮があるが、山手線内で行うのはおそらくここだけである。