仙波日枝神社
仙波(せんば)日枝神社は、埼玉県川越市の、西武新宿線の本川越駅より東へ徒歩13分、またはJR川越線・東武東上線の川越駅より北東へ徒歩22分の地に位置する鎮守社。
平安時代の天長7年(830年)、慈覚大師円仁が無量寿寺(現在の中院及び喜多院)を中興する際、その鎮守として滋賀県の日吉大社を勧請して創建。明治維新時の神仏分離令で分離するまで、隣接する喜多院の管理下にあった。
本殿が国の重要文化財に指定されている。また境内は川越市指定史跡。
本殿は室町末期の16世紀後半から江戸初期の17世紀前半頃の築で国指定重要文化財。室町期の宮殿(非公開)が附指定されている。
この土塁は仙波日枝神社古墳(多宝塔古墳)の遺構。6世紀中期に築造された前方後円墳であったが、大正13年の道路工事で後円部は失われ、前方部のみ残る。
かつてはこの古墳上に喜多院の多宝塔があったが、道路工事に際して移築された。
仙波日枝神社と東京・赤坂日枝神社
東京の赤坂日枝神社は、室町時代の文明10年(1478年)に太田道灌が江戸城を築く際、その鎮護神として仙波日枝神社を城内に勧請して創建されたと伝える。その後、赤坂日枝神社は数度の遷座を経て江戸初期には城外に鎮座するが、江戸城の守護神という位置づけは変わらず、江戸城内で生まれる徳川将軍家の産土神ともなったため、その祭礼は天下祭として重きをなした。