等々力不動尊
等々力不動尊(明王院)は、世田谷区の、東急大井町線の等々力駅より南へ徒歩9分の地に位置する、等々力渓谷の崖線上の寺院。等々力駅北側にある満願寺(真言宗智山派)の別院である。
鎌倉時代、真言宗を中興した興教大師覚鑁(1095-1144年)が霊夢に従い当地に至り、役行者自刻の不動明王像を安置して開創。
山門こそ大通りに面するが、等々力渓谷沿いの遊歩道からも崖線上の堂宇への参道が伸び、渓谷の自然と一体となった寺院。
山門は本寺である満願寺から昭和43年に移築。
本堂の前に拝殿がある、神社社殿に類似した構成となっている。拝殿は第二次大戦後の昭和27年築。この背後にある本堂は江戸末期の築だが見えない。
寺院ながら舞殿があり、祭礼時にはお囃子などが奏される。
展望台(舞台)からは渓谷方面が眺望できる。
展望台(舞台)は懸造となっている。
展望台の下方には、小さな池と弁天堂がある。
渓谷を流れる谷沢川には本堂への参道や不動滝がある。なお、谷沢川の反対側には稚児大師堂もある。
不動の滝は滝場となっている。滝場の脇には滝不動堂と稲荷堂の祠が立つ。
渓谷からの参道の途中には神変大菩薩(役行者)を祀る神変堂が設けられた窟がある。
御岳山古墳
なお、山門前の目黒通り(都道312号)の反対側には東京都指定史跡の御岳山古墳もある。この古墳は等々力不動尊と同様に満願寺の飛地境内であるが、立入は禁止である。
御岳山古墳は古墳時代中期(5世紀中期)築造の帆立貝式古墳で、全長54m、墳丘部直径40m、高さ7mと野毛古墳群では野毛大塚古墳に次ぐ規模を誇る。
等々力不動尊と目黒不動尊
等々力不動尊の本尊は目黒村へ貸し出されたまま返ってこず、後に目黒不動尊になったという伝承もある。