戸越公園

戸越公園戸越公園は、東京都品川区の、東急大井町線の下神明駅より西へ徒歩5分の地にある、回遊式庭園を整備した区立公園。
江戸前期に熊本藩主細川家の下屋敷が東海道五十三次の風景を模した庭園を整備し、以後所有が転々としたのち、明治期に三井家の別邸となり、昭和に入って東京市が公園整備した。

公園正門
戸越公園

公園北側にある正門は薬医門形式で、平成4年に復元された。正門のほか、公園の東側には同時期に建立された冠木門も立つ。

園内
戸越公園
 
戸越公園
 
戸越公園

戸越公園の沿革

当園一帯は、寛文2年(1662年)に、熊本藩支藩である熊本新田藩の藩主細川利重が幕府から下屋敷として拝領。
寛文6年(1666年)、本家である熊本藩藩主細川綱利が、白金屋敷と交換する形でその下屋敷の用地とし、同11年(1671年)までに「戸越屋敷」を整備。そこに東海道五十三次の風景を模した庭園を造った。
その後は、天明4年(1784年)に曾根準之助の手に渡って以来、大茶人で松江藩主の松平治郷(不昧)、羽後上山藩主松平家、伊予松山藩主久松松平家と所有が転々とし、また明治以降は久松伯爵家(旧松山藩主家)、吉井幸蔵伯爵、彫刻家の堀田瑞詳などの所有を経て、明治23年(1890年)に三井家の所有となった。
三井家は更に隣接地を買収後、その敷地の一部を昭和7年(1932年)に当時の荏原町に寄付。荏原町は東京市に合併され、東京市が昭和10年(1935年)に戸越公園として開園。東京市は東京府と合併して東京都になるが、当園は昭和25年に東京都から品川区に移管された。
なお、第二次大戦中に戸越公園には高射砲陣地が築かれ、また戦後には池が縮小されたりしたため、熊本藩主細川邸以来の東海道五十三次の風景は現在は失われている。

熊本藩主細川家下屋敷模型
品川歴史館

品川歴史館には、江戸時代に当地一帯にあった、熊本藩主細川家下屋敷の模型がある。

品川歴史館
スポットガイド
品川歴史館 | 東京都品川区
品川区の歴史と民俗の資料館

戸越公園の池の白蛇の伝説

区内の蛇窪神社の境内には、戸越公園に住んでいたとされる白蛇を祀る白蛇弁財天社がある。
鎌倉時代、蛇窪神社境内には洗い場があり、そこに白蛇が住んでいたが、洗い場が失われると現・戸越公園の池に移住した。しかしこの白蛇が霊夢で神社に戻りたいと伝えてきたため、弁天社を勧請してそこに白蛇も祀った、という。

蛇窪神社
スポットガイド
蛇窪神社 | 東京都品川区
白蛇像が多数
白蛇弁財天社
蛇窪神社

蛇窪神社境内にある白蛇弁財天社は、社殿に宗像三神を、石窟に白蛇大神を祀る。

みどりと花のフェスティバル

品川区では、毎年4月頃と10月頃に「みどりと花のフェスティバル」を区内の公園で開催しており、戸越公園で催される年もある。
このイベントではステージショーや模擬店、盆栽展示、植木市などが行われる。

緑と花のフェスティバル
戸越公園
 
戸越公園
戸越公園
東京都品川区豊町2-1-30 地図
アクセス:東急大井町線 下神明駅より徒歩5分
品川区
エリアガイド
品川区 | 東京都
港区の南隣り。大崎、大井町など

近くには戸越八幡神社や旧三井文庫第二書庫がある。

戸越八幡神社
スポットガイド
戸越八幡神社 | 東京都品川区
境内の整った戸越の鎮守
旧三井文庫第二書庫
スポットガイド
旧三井文庫第二書庫 | 東京都品川区
現存最古級の壁式RC造