花園神社
花園神社は、東京都新宿の、東京メトロ丸ノ内線・副都心線・都営新宿線の新宿三丁目駅から徒歩数分の地に位置する鎮守社。
創建年代は不詳だが、天正18年(1590年)の徳川家康の江戸入府時点で既に存在していた。当時は現在の伊勢丹付近に鎮座していたが、寛政年間(1789-1801年)に現在地に遷座。江戸時代は花園稲荷、四ツ谷稲荷、四谷追分稲荷、三光院などと呼ばれたが、明治時代に稲荷神社となり、昭和2年に花園稲荷神社、同41年に花園神社と改称。
新宿の総鎮守を名乗っており、江戸時代から、現在の繁華街中心部より若干東側にあった、甲州街道の宿場町である内藤新宿の総鎮守であった。なお、新宿の総鎮守は、新宿駅西口側の十二社熊野神社も名乗っている(歌舞伎町・JR新宿駅前商店街のかなりの部分や、西口側の超高層ビル街は十二社熊野神社の氏子域)。
社殿は拝殿・幣殿・本殿を連結した権現造で、戦後のRC造。
芸能浅間神社の富士塚は昭和3年に築造され、昭和40年に移築。
二宮金次郎像は、隣の四谷第五小学校が建設中の昭和8年に校内に千葉より移設され、廃校時に当社の境内に移された。
参道脇の一対の銅製唐獅子は新宿区指定有形文化財。
本社神輿(右)は昭和55年の、雷電稲荷神輿(左)は平成元年の製作で、隔年の例大祭本祭で連合渡御を行う。
威徳稲荷神社
威徳稲荷神社は、黒ボク石の基壇の上に鎮座する小祠。昭和3年頃建てられた。この祠は、性神信仰の名残が見られる。
主な年中行事
骨董市
毎週日曜日には、他にイベントがなければ骨董市が立つ。
初詣
湯花祭
毎年1月8日には湯花祭(湯の花神事)が開かれる。これはいわゆるどんど焼きで、古札を焼いて沸かしたお湯を神前に供え、また甘酒を作り参拝者に振る舞う行事である。
節分祭追儺式
豆まきの際、退散する鬼の演技や福神の舞も行われる。東京の節分会の中では中規模。
例大祭
花園神社の例大祭は5月28日に近い週末。本祭(西暦偶数年)の年には宮神輿2基(本社神輿と雷電神輿)が渡御し、陰祭(西暦奇数年)の年には氏子8ケ町の町神輿が連合渡御する。また、境内には露天商が多数出店する。この行事に関する詳細は「花園神社 例大祭」の記事を参照。
なお、雷電神輿は合祀された雷電稲荷神社(ただし実際は旧地に社殿が現存)の本社神輿で、屋根の頂だけでなく四方の蕨手にも火炎宝珠が乗る珍しいもの。
大酉祭(酉の市)
11月の酉の日(2日ある年と3日ある年がある)に開催される大酉祭は、本社殿に合祀された大鳥神社の祭礼。酉の市としては浅草鷲神社の酉の市に次ぐといわれ、多くの熊手や一般の露店が出る。この行事に関する詳細は「花園神社 酉の市」の記事を参照。