弘福寺
弘福寺(こうふくじ)は、東京都墨田区向島の、都営浅草線の本所吾妻橋駅より徒歩14分、または東武伊勢崎線とうきょうスカイツリー駅より徒歩12分の地にある黄檗宗寺院。山号は牛頭山。
隅田村香盛島にあった香積山弘福寺という小庵を、江戸前期の延宝元年(1673年)に現在地に移して黄檗宗の牛頭山弘福寺と改め開創。現在の諸堂は昭和8年に整備されたもので、特に山門と大雄宝殿は黄檗様式の建築である。
黄檗様式の山門は昭和8年建立。
黄檗様式の大雄宝殿(本堂)は昭和8年建立で墨田区指定有形文化財。本尊は釈迦如来。
正面の礼堂と背面の後堂で構成された複合仏堂であり、この点は京都の本山萬福寺や港区瑞聖寺の大雄宝殿とは異なる。また、萬福寺や瑞聖寺の大雄宝殿は裳階で一見重層に見える単層の仏堂であるが、当寺の大雄宝殿はれっきとした重層建築である点も異なる。
鐘楼も昭和8年建立。
咳の爺婆尊は風邪(インフルエンザやコロナも含む)除けのご利益があるとされる。
客殿も昭和8年建立。裏庭に面した西側には洋風要素が見られる。
東京都にある他の黄檗様式建築
黄檗宗は江戸時代に中国から渡ってきた比較的新しい禅宗の一派で、その固有の建築様式には中国風味が色濃く残る。黄檗宗は小宗派で寺院自体あまり多くないが、それらの寺院でも黄檗固有の様式の堂宇を持つのはわずかである。東京都における他の黄檗建築としては、港区の瑞聖寺にある大雄宝殿や、小平市の円成院の山門と大雄宝殿がある。
近くには三囲神社などがある。