三囲神社
三囲神社(三圍神社)は、東京都墨田区の、東武線とうきょうスカイツリー駅より北西へ徒歩12分の地に位置する稲荷社。
承和2年(835年)に弘法大師空海が勧請。
文和2年(1351年)、近江・三井寺の旅僧が再興する際、社殿下で発掘された壺から神像が発見されると、白狐が現れてその周囲を三度巡ったので「三囲」だとする。天正年間(1573-1591年)と慶長年間(1596-1614年)の遷座を経て現社地に鎮座。
かつては田中稲荷と呼ばれており、いつから三囲(山)稲荷となったかは不明である。明治6年、三囲神社と改称。
江戸に進出した三井家は享保年間に、鬼門の方角(東北)にある当社を、江戸における守護社に定め、明治初年まで社殿の維持造営などを負担した。現在、境内には三井家の祖霊社である顕名霊社の社殿や三柱鳥居が三井邸から移築されている。
社殿は江戸末期の1862年建立で墨田区登録有形文化財。
当社は第二次大戦の空襲で額堂や神楽殿などは焼失したものの、社殿は無事だった。
隅田川に面するこの鳥居は1862年建立で墨田区登録文化財。この鳥居の奥には神門が見えるが、この参道は施錠され通行できない。
この鳥居のある辺りにはかつては池があった。
顕名(あきな)霊社は、三井邸に明治7年に建立され平成6年に現在地に移築された、三井家の祖霊社。没後100年を経た三井11家の当主夫妻120柱余りを祀る。
同じく三井邸から移築された三柱鳥居は顕名霊社の鳥居で、明治時代に建造された。鳥居を3基組み合わせた三本足の鳥居で、当社のものは足が六角柱。京都太秦の木嶋神社にあるものが有名だが、それに倣ったものである。木嶋神社もまた三井家の崇敬社であった。
三柱鳥居は全国的にも珍しい鳥居だが、東京では新宿の成子天神社にも近年造られた。
ライオン像は、2009年に閉店した三越池袋店のもので、三井家との特別な縁から寄贈された。
この祠は、もとは三井家の越後屋(現・三越)に祀られていた大国・恵比寿2神の像を安置する。
日本橋三越本店屋上に分祀された三囲神社
三井家の祖業であった呉服商部門を源流とする日本橋三越本店の屋上には、三囲神社から分祀された祠がある。
例大祭は9月中旬だが、宮神輿の渡御があるのは5年に一度。
明治維新時の神仏分離まで、延命寺(葛飾区白鳥4-13-23、戦後に移転)が別当寺であった。