東京国立博物館
東京国立博物館は、東京都台東区の上野公園内に位置する、日本最古の博物館。
湯島聖堂内に明治5年(1872年)に開設された文部省博物館を起源とし(国立科学博物館と同根)、現在地へは明治初期に移転。明治22年に帝国博物館、同33年に東京帝室博物館、昭和22年に国立博物館、同27年に東京国立博物館と改称した。
東洋、特に日本の美術品や考古資料を収蔵展示しており、写真撮影可な範囲も広い。美術館の建物そのものも見所。また、本館裏の日本庭園には茶室等が配置されている。
東京国立博物館の表側の建築
東京国立博物館の建物のうち、本館、表慶館、黒門、旧十輪院宝蔵は国指定重要文化財となっている。なお、東洋館、法隆寺宝物館、平成館は戦後建築。
黒門は江戸末期の竣工。国指定重要文化財。
現・千代田区丸の内にあった鳥取藩主池田家の江戸上屋敷表門が、明治24年に東宮御所正門として移築され、後に高松宮邸に引き継がれ、さらに昭和29年現在地に移築。
旧十輪院宝蔵は鎌倉期建立。国指定重要文化財。奈良の十輪院より明治15年移築。
本館は昭和12年竣工。国指定重要文化財。旧東京帝室博物館本館。
前庭の池なども同時期に竣工。
表慶館は明治41年竣工。国指定重要文化財。旧奉献美術館。
東洋館は谷口吉郎の設計で昭和43年竣工。
法隆寺宝物館は谷口吉生の設計で平成11年竣工。
平成館は平成11年竣工。
後庭
本館裏にある日本庭園(後庭)の周囲には、茶室として古建築が数棟移築されている。なお、寛永寺の寺誌には、この庭園は小堀遠州の作ったものとある。
以前は春秋のみの公開であったが、現在は通年公開されている。
春草廬(しゅんそうろ)は、貞享・元禄の頃に河村瑞賢が大阪の淀川改修を行った際に建てた休憩所。
大阪春日出新田の倉家邸に伝来し、大正4年に横浜・三溪園に部材を移すも再建されず、昭和12年に埼玉県所沢市の柳瀬荘内に移築され、昭和34年に現在地に移築。
転合庵(てんごうあん)は、小堀遠州が京都伏見の六地蔵に建てた茶室。
京都大原の寂光院に移されていたが、明治11年に麻布の渡辺男爵邸に移築。昭和38年に広尾より現在地に移築。
六窓庵(ろくそうあん)は、慶安年間(1648-51年)に奈良の興福寺慈眼院に建てられた、金森宗和好みの茶室。
明治10年に興福寺大乗院より当館に移築。
水屋、寄付、腰掛などは明治14年の増築。
応挙館(おうきょかん)は、愛知県大治町の明眼院の書院として1742年建造。
明治期に品川御殿山の益田鈍翁邸に移され、昭和11年に現在地へ移築。
館内の墨画は応挙作と伝える。
九条館(くじょうかん)は、京都御所内にあった旧九条邸の一部。九条家は五摂家の一つ。
明治期に赤坂の九条公爵邸に移され、昭和11年頃に現在地へ移築。
銅製五重塔は、1689年に徳川綱吉が法隆寺に奉納。
黒田記念館
組織再編で、隣接する黒田記念館も東京国立博物館の附属施設となった。
本館は昭和3年竣工。国登録有形文化財。
書庫は昭和10年竣工。国登録有形文化財。
屋内展示
東京国立博物館の屋内展示も、質量ともに日本有数のレベルにある。詳細は「東京国立博物館 屋内展示」の記事を参照。
柳瀬荘
埼玉県所沢市には、当館の施設として柳瀬荘があり、毎週木曜日に公開されている。これは実業家・茶人の松永安左エ門の別荘跡で、当館には昭和23年に寄贈された。