根津神社は、東京都文京区の、東京メトロ千代田線の根津駅より徒歩5分の地に位置する鎮守社。当社に関する詳細は根津神社の記事を参照。
当社の例大祭は9月中旬に催されるが、この祭礼は、江戸三大祭の一つに数えることもある(後述)。
根津神社 例大祭
根津神社の例大祭は9月中旬に催される。
四年に一度の本祭では宮神輿が渡御し、その中間年には町神輿の連合宮入が行われる。
また、社伝の神楽「三座ノ舞」が奉納されるのも特徴。
宮神輿の渡御(本祭の年)
当社では、4年毎の本祭の年に、神幸祭として、徳川家宣が奉納した宮神輿が氏子地域を巡行する。
ただし、出御するのは、通常は3基のうち1基だけである。
当社には徳川家宣が献納した宮神輿が3基現存する。文京区指定有形文化財。
町神輿の連合宮入(中間年)
本祭の間の中間年(つまり4年ごと)、当社の氏子全23ヶ町が連合宮入を行う。この行事は平成28年に初めて開催された。
例祭式
例祭式は曜日に関わらず21日に行われる。式典のほか、小学生による浦安の舞や、社伝の神楽である三座ノ舞が奉奏される。
地元小学生による浦安の舞は、神輿や露店で賑わう土曜日と日曜日に神楽殿で奉奏されるが、この例祭式でも拝殿内で披露される。
太々神楽である三座ノ舞(文京区指定無形文化財)も、日曜日に神楽殿で披露されるほか、例祭式でも拝殿内で奉奏される。神楽のうち現在は三座(榊、弓、御幣)が残るので三座ノ舞と呼ばれる。
太々神楽とは社伝の神楽で、東京では近世まで社家などが相伝したが、現在は里神楽の社中(里神楽団体)が継承しているケースがほとんどである。ただしその場合でも原則として相伝された神社以外では奏上されない(なお、「太々神楽」は、獅子舞が表芸で大道芸を披露する「太神楽」とは全く別物である)。
江戸三大祭
根津神社の祭礼は江戸時代、当社を産土神とした6代将軍徳川家宣が正徳2年(1712年)に天下祭と定め、山王祭は巳年、根津祭は午年、神田祭は未年に開催することとしたが、家宣はその直後に死去した。そのため、正徳4年(1714年)の祭礼こそ天下祭として神幸祭行列が江戸城に入城したものの、享保3年(1718年)には天下祭から外された。
この経緯から、根津神社では自社の例大祭を、神田明神の神田祭、赤坂日枝神社の山王祭とともに江戸三大祭だと称している。
ただし一般的には江戸三大祭と言うと、根津神社例大祭の代わりに富岡八幡宮の深川八幡祭を入れることが多い。また浅草神社では自社の三社祭と神田祭・深川八幡祭で江戸三大祭だとしている。