上野東照宮
上野東照宮は、東京都台東区の、上野公園内に鎮座する神社。
戦前の社格は東京府(東京都)の府社。
寛永4年(1627年)(一説によると元和9年(1623年))、徳川幕府創設者の神君・徳川家康(1543-1616年)を東照大権現として祀るため創建。
金色に輝く社殿は都心部の神社では数少ない、江戸時代の建立で、国の重要文化財に指定されている。
表参道鳥居は1633年建立。国指定重要文化財。
水舎門は、社殿脇にあった手水舎(1651年建立)を第二次大戦後に移築改造。
表参道沿いなどには、大名寄進の石灯籠が約200基並ぶ。多くは1651年の献納。
神楽殿は明治7年建立。
銅灯籠は重文指定の附指定。50基が指定されているが、現在は48基しか立っていない。
唐門は1651年建立。国指定重要文化財。
透塀は1651年建立。国指定重要文化財。
社殿は本殿・幣殿・拝殿を連結した権現造で1651年建立。国指定重要文化財。
石灯籠は参道沿いだけでなく、有料ゾーン内にも並び、計200基以上ある。当社に奉納されたもののほか、明治維新で廃社となった大阪の東照宮から移したものもある。
表参道の脇にあるお化け灯籠は6.8mもの高さがある。京都の南禅寺、名古屋の熱田神宮の灯籠とともに日本三大灯籠だとも言う。
不忍口鳥居は、江戸城紅葉山にあった東照宮の鳥居(1626年建立)を明治6年に移築。
茶室
社殿修理前は、茶庭と茶室(1656年建造)も有料公開エリアに含まれていた。
現在は非公開だが、裏面は上野動物園側から見ることができる。
旧寛永寺五重塔
旧寛永寺五重塔は1639年建立で国指定重要文化財。
この塔は江戸期は東照宮の所有であり、東照宮を向いている方が正面となる。
明治維新時の神仏分離による取り壊しを免れるため、寛永寺の所有と政府に申請した。第二次大戦後に東京都の所有となった。
上野動物園内にあるが、上野東照宮の参道からも柵越しに見ることができる。
上野東照宮旧本殿
北区の稲付香取神社の本殿は、藤堂高虎が1627年に造営した上野東照宮の本殿(内陣)を1650年に移築したものと伝える。
通常は覆屋内にあり覗うことはできないが、例大祭などの祭礼時には拝殿正面の扉が開けられ、奥にある本殿を覗うことができる。
ぼたん苑
上野東照宮のぼたん苑では、冬(1~2月頃)と春(4~5月頃)に牡丹が、秋(9~10月頃)にはダリアが有料公開される。詳細については「上野東照宮 冬ぼたん」の記事、「上野東照宮 春のぼたん祭」の記事、「上野東照宮 ダリア綾なす秋の園」の記事を参照。
その他の行事
薩摩琵琶定例演奏会
偶数月の最終日曜日(12月は除く?)には、錦心流薩摩琵琶の史水会の主催で、12時~15時に薩摩琵琶の定例演奏会が神楽殿で開かれる。
花見屋台
上野公園は言わずと知れた花見の名所であり、上野公園でうえの桜まつりが開かれる春のこの時には、上野東照宮でも参道沿いの片側に花見屋台が出る。
明治の神仏分離までは、現在の上野動物園内にあった寒松院が別当寺であった。寒松院は明治維新時に他所に移転した。