靖国神社から隣接する千鳥ケ淵にかけての一帯は、台東区の上野公園と並び、東京の桜の名所として全国的に知られている。東京の桜の開花は靖国神社境内の標準木を元に行われ、この時期には千代田区主催の「千代田のさくらまつり」や商店街主催の「さくらフェスティバル」のほか、靖国神社独自の行事も催される。
なお、上野公園の桜についてはうえの桜まつりの記事を参照。
靖国神社の桜
靖国神社と桜の関係は深く、桜は戦前は美しく潔く散る様から軍人精神と結び付けられ、「同期の桜」のような軍歌にも歌われた。現代においても、気象庁が東京での桜の開花日を判断する標準木が境内にある。境内には約500本の桜が植えられている。
商店街主催の「さくらフェスティバル」のイベントや露店の出店があり、30万人以上の人出がある。また有料で奉納夜桜能も開催される。
なお、さくらフェスティバルでは公募出演者による歌・演奏・踊りや物販などが催される。
内苑の能舞台の脇には、東京における桜の開花宣言の標本木がある。品種はソメイヨシノ。花が5~6輪咲いた時点で、気象庁が開花を宣言する。
境内では各種芸能が奉納される。
境内に沿って走る靖国通り沿いにも街路樹としてソメイヨシノが植えられている。
田安門から千鳥ケ淵にかけての桜
靖国神社に隣接する田安門周辺から千鳥ケ淵にかけての一帯にも多くのソメイヨシノが植えられており、千鳥ケ淵緑道では夜間にLEDでライトアップされ、ボート場も夜間に特別営業される。
牛ケ淵は田安門の東側から清水門にかけての濠で、ここも清水門まで土手に桜が植えられている。
夜間はLEDでライトアップされ、幻想的な光景が出現する。
千鳥ケ淵緑道の桜も夜間はライトアップされ、凄く混雑する。なお、ここでは宴会等はできない。
北の丸公園には330本の桜がある。また東御苑にも桜は比較的多く植栽されているほか、近年では桜の季節に皇居内の乾通りも公開されるようになるなど、一帯は日本でも有数の桜の名所となっている。
代官町通りから半蔵門にかけての桜
千鳥ケ淵緑道から南下すると、北の丸公園・千鳥ケ淵と皇居・半蔵濠を隔てる代官町通りに出る。代官町通りには桜の野生種を中心とする桜並木がある。代官町通りから更に南へ行くと、半蔵門まで濠沿いに続く千鳥ケ淵公園にも多数の桜が植えられている。
千鳥ケ淵緑道南方の代官町通りには約180本の桜から成る並木が続く。ここはソメイヨシノではなく、ヤマザクラやオオシマザクラを中心とした桜である。
代官町通りから南へ半蔵門まで続く千鳥ケ淵公園にも多数のソメイヨシノが植えられている。なお、千鳥ケ淵公園沿いの濠は千鳥ケ淵ではなく半蔵濠である。
皇居乾通りの桜
桜の開花時期にあわせ、普段は非公開の皇居の乾通りも公開される。この行事に関する詳細は「皇居乾通り 春季一般公開」の記事を参照。